「パーソナルカラー診断」や「骨格診断」をご存じですか? 近年、ファッション雑誌で取り上げられる機会が増え、知名度が上がってきた服選びのノウハウです。
というと「おしゃれな人のためにある知識」「ファッションが好きな人向けの情報」と思われる方が多いと思うのですが、私は全く正反対のことを思います。
- おしゃれに関心がない
- 服選びのことが全くわからない
- ファッションに興味がないから避けて通りたい
という人たちに最も向いている情報だと思います。
いえ、もっと言うと、
- おしゃれに関心がない(けどそれなりにかっこいい外見になりたい)
- 服選びのことが全くわからない(けどいいセンスで選びたい)
- ファッションに興味がないから避けて通りたい(けど避けられない)
という人たち向きです。
またパーソナルカラー診断と骨格診断は、
- ファッションのことを考える余裕がない(けどおしゃれな服装をしたい)
- 服選びの正解がわからない(けど正解を選べるようになりたい)
という方にも大いにおすすめです。
なぜかというと、パーソナルカラー診断と骨格診断は「自分に似合う服の色・形」を知るための体系化された知識だからです。そして「似合う服」を把握していれば、流行は知らなくてもおしゃれに見えます。
流行のファッションは、その流行を知っている人にはよく見えても、知らない人にはかっこ悪く見えることもありますね。若者ファッションに年配の人が不満げなのはよくある話です。
自分に似合う服なら、幅広い年代の人に好感度の高い服装ができます。
そして、心や頭に余裕が無いときでも、理論に沿って服が選べるため、考える必要がありません。非常に楽で、服選びの負担が激減します。お店でも自分に合う服の見当がつけやすくなり、服を買うのもかなり楽になります。
無駄な服を持つことがなくなるので、「タンスの肥やし」もなくなります。
人生において、服を着るのは避けられないことです。パーソナルカラー診断と骨格診断で人生を楽にしませんか?
パーソナルカラーとは? 骨格診断とは?
人には生まれ持った色素と骨格があると言われており、それをファッションの観点から体系化したものです。
パーソナルカラーは似合う色の傾向を知るための知識で、スプリング(春)、サマー(夏)、オータム(秋)、ウィンター(冬)とされており、それぞれ以下のような特徴があります。
- スプリング:明るく華やかな純色が似合う
- サマー:パステルカラー、ニュアンスカラーのような柔らかい色が似合う
- オータム:カーキ、からし、エンジなど渋めの色が似合う
- ウィンター:黒、白、ワインレッドなど重く暗いビビッドな色が似合う
サマーは日本人に最も多いタイプだそうで、日本の店頭ではサマー向けの色が見つけやすいそうです。
骨格診断は似合う服の形を体系化したものです。肉のつき方によらず骨格で決まっているので、体重の変動があっても似合う服の形が変わることは無いそうです。タイプは3タイプでストレート、ウェーブ、ナチュラルとあり、それぞれ以下のような服装が似合うとされています(レディースの場合)。
- ストレート:張りのある高級感の高い服装、直線的なデザインが似合う
- ウェーブ:柔らかな素材、デザインが似合う
- ナチュラル:ラフで自然派な素材、デザインが似合う
より詳しくは以下のサイトなどをご覧ください。
パーソナルカラー診断と骨格診断を受けるには
パーソナルカラー診断と骨格診断は、カラーコーディネーターさん、骨格診断アナリストさんなど、資格を持った人が診断を実施しています。お住まいの地域の地名と「パーソナルカラー診断」「骨格診断」などで検索すると、セミナーやサロンがヒットすると思います。
費用は地域によると思いますが、1万円~3万円程度かかるようです。
え? 高い?
一生使える知識が3万円で買えたら安くありませんか?
残りの人生ずっと服選びに困らなくなり、人前に出るときにも自信を持って服を選べる知識が3万円ですよ?
とはいえ人の価値観は千差万別なので、そこまでの価値を見出せない方は無理に受ける必要はないと思います。
なお書籍もありますが、素人が本を元に自分のパーソナルカラーや骨格を把握するのは至難です。何冊も本を読むより、素直に診断してもらうほうが安上がりです。私も4、5冊ぐらいパーソナルカラー診断と骨格診断の本を読んで「わからないから診断してもらおう」と思いました。
私が思うパーソナルカラー診断と骨格診断のメリット
私は発達障害者です。易疲労性をもっていて、非常に疲れやすいです。脳が疲れたとき、私は物事を選ぶことができなくなります。正確には「決断」が困難になります。
どのくらいかというと、コンビニで昼食のおにぎりが選べなくて買い物が苦痛になるレベルです。その状態で服を選ぶのは極めて困難なので、適当な服を着ることになるのですが……。
私は不安障害ももっています。不安が強くなると外出が困難になります。
不安に具体的なものはなく、「なんとなく動悸がする」「なんとなく息苦しい」という感じなので、解決のしようがありません。その不安を抑える手段のひとつとして、「今は似合う服を着ているから大丈夫」と思えることは私にとって非常に有意義でした。
そしてパーソナルカラー診断で似合う色が、骨格診断で似合う形が理論的にわかっているので、決断困難な疲労状態でも服が選べるのです!
外に出るのが楽になったよー! 外出中も不安を感じても和らげられて楽になったよー!
パーソナルカラー診断と骨格診断を受けてから数年経った今は、もう外出中に不安を感じることはほとんどなくなりました。人前に出ることも苦ではありません。
もう一つのメリットは服の買い物が楽になることです。以前は似合う服がわからないので、試着しては「何か違う……」と思って売場に帰るのを繰り返していました。そのため時間がかかってしまい、疲れやすい人間としては非常に大変でした。
今は売場で似合いそうな服の見当がつくので、あとは念のために試着するだけで済みます。
私は不安障害なので念のための試着を欠かさないですが、「試着せずに売場から即レジ」という方もいます。パーソナルカラー診断と骨格診断はそのくらい信頼できる知識なのです。
メイクは私はしませんが、メイクをする方は適切な色が選びやすくなるので、その点も楽になると思います。
トランスセクシャルとしての骨格診断
骨格診断で「似合う」とされる服装は、肉体の性別を活かす服装が多いです。つまり女性なら「女性らしく見える服装」、男性なら「男性らしく見える服装」ということです。なのでそのままアドバイス通りに着ると、肉体の性別に違和感がある人たちは望まない外見になってしまいがちです。
では受ける意味がないのか、というとそういうわけではありません。服の形を使って異性らしく見える服装をすることもできるので、似合う服×異性見えシルエットというパス度が上がりそうな工夫もできるようになります。
私がパーソナルカラーと骨格を診断してもらったカラーコーディネーターさんのブログには以下のような記事があります。
私の骨格タイプはストレートで厚みのあるしっかりした素材やテーラードジャケット、ワイシャツなどが似合うタイプなので、ラインの隠れる厚め素材の服は使いやすそうです。またファッションの男女差は年々減っているらしいので、異性のファッション誌も見ながら工夫すると良さそうです。
肉体が女性で着たいのがレディースだけど、骨格診断的に似合うレディースは女らしくなりすぎてしまってしんどいので、中性に寄せる工夫を最近している……。
代替アイテムで済ませるのもいいかもしれません。私の場合、正装はスーツ+ネクタイが理想ですが、変な印象を与えたくないので、ネクタイをスカーフに変えています。
パーソナルカラー診断と骨格診断を受けたら次にすること
パーソナルカラー診断と骨格診断を受けてみたが、元々ファッションに関心がないので、結局どうしたらいいのかよくわからない。
よくありそうな意見だなぁと思ったので、対策を考えました。
- ファッション雑誌をたくさん読み、「似合う服」かつ「着たい服」を探す
- 似合うとされている服、似合わないとされている服、両方を店頭で試着してみる
どちらも私がやってみた方法です。両方ともとても有意義だったのでおすすめです。
デジタルコラージュを作ろう! ファッション雑誌読みあさり術
ファッション雑誌は、電子書籍読み放題のプランで対象になっている雑誌だけでいいので、全部ざっと目を通してみましょう。その際に、「似合う形の服」が使われていたらスクリーンショットを撮っておきましょう!
予算が潤沢な方は紙で買ってきて切り抜いてもOK!
似合う色かどうかは店頭で似たような服を探すときに意識すればいいので、似合う形を優先するのが個人的におすすめです。色も似合うものなら理想的です。似合う形で、さらに「好き! 着たい!」と思う服装があったら特にしっかり保存です!
撮ったスクリーンショットは雑誌名・月号をメモしてまとめて保存しましょう。私はNotionに入れていますが、自分なりの使いやすい方法で保存すればいいと思います。私もNotionに入れ始める前は、雑誌の表紙もスクリーンショットしておいて画像ギャラリーから見ていました。
これを何冊かやってみると、
- 似合う形の服がほとんど出てこない雑誌
- 好きな服がほとんど出てこない雑誌
があることに気づくはずです。別の月にもやってみて同じ傾向であれば、その雑誌は次から読まなくてOKです!
逆に「似合う服だし、着たい服も多い雑誌」が見つかったらラッキー! 愛読雑誌にしましょう。もちろん毎号追う必要はありません。だって流行を知る必要はありませんからね……!
できあがったデジタルコラージュはまとめて全部見直してみましょう。自分が好きな、自分に似合う服装の傾向がわかるはずです。あとは店頭で似たような服を探してみましょう。店頭で探すときは色も自分に似合うものを意識しましょう!
これを2~3ヶ月分やってみて、お気にいり雑誌が決まったら、あとはそれを年に4回くらい季節ごとにデジタルコラージュしてみると良いかと思います。
ちなみに、私のお気にいり雑誌はレディースファッションはandGIRLとminaとOggi、メンズファッションはFINEBOYSです。Oggiは骨格診断ストレートの女性がかっこよく見える服装をしたいときに参考になります。andGIRLとminaはストレート向けの中でも可愛い系。ウェーブ向けも多いですが、私はウェーブ要素ありのストレートだそうなのでほどよいです。FINEBOYSはファッション初心者向け特集が豊富で最高です。シルエットや色が豊富で飽きにくいのも魅力。
印象を確かめよう! 似合う服・似合わない服の試着
骨格診断では、自分が予想していない形の服を「似合う」と言われませんでしたか? 雑誌や町中で見かけてあまりいいと思えなかったデザインを似合うと言われたときには、反応に困った方もいると思います。私もその一人です。
私が反応に困ったのは、タイトスカートとシャツワンピースとワイドパンツです。タイトスカートは昔似合わなかった記憶がありました。シャツワンピースはパジャマみたいに見えるので、良いと思えなかったのです。ワイドパンツも野暮ったい印象を受けることが多いので苦手でした。(ワイドパンツはストレートには似合わないとする本もあるので余計困ります)
ですが試着してみると、「なんだかアリだな」と思いました。特にタイトスカートは抜群に似合うと実感しました。女性らしさを出したいときはタイトスカート一択だなと……。シャツワンピースも「これは着てみてもいいかもしれない」という感想でした。合う素材のものを見つけたら買ってみたいと思っています。ワイドパンツは未だに試着したことがないので、そのうち試してみます。
逆に興味があっても似合わないと言われたのがマーメイドスカート。きれいだなと思っていたので、店頭で試着してみたところ、圧倒的コレジャナイ感でした。似合わないとはこういうことかとしみじみ感じました。
似合う服だけでなく、似合わない服を着たときの印象も体験しておくのはとても良いことだと思うので、いろんな服を試着したうえで似合うとされる服を選んでいくのが良いと思います。
色も同じで、似合う色、似合わない色、似合うけど店頭で見つけづらい色、似合わないけど店頭でよく見る色など、ひととおり試着してみて自分が感じることを覚えておくといいと思います。「しっくりくる」「いい感じに見える」「違和感がない」というような印象になると似合う色のようです。
パーソナルカラーの世界では色を「黄色み系」「青み系」と分けるので、最初はわかりづらいと感じる方も多いと思いますが、いろんな色を意識して見ているうちに段々わかってきます! 心配な方はこちらの本についているカラーチャートを切り抜いて持って歩くのがおすすめです。
似合う色・形・素材 全部満たした服がない!
これもパーソナルカラー診断と骨格診断を受けた人によくある悩みだと思います。カラーコーディネーターさんも言っていたのですが、「色と形と素材が全部OKな服はそうそうない」そうです。
そんなとき、何を重視して選ぶかは諸説あるので、診断してくれる先生に診断のときに聞いておくようにしましょう。
ちなみに私の場合は、
- トップスは色重視。そのほかは素材、形のうち1つ合えばOK
- ボトムスは形を最重視。次点で素材
と考えています。(素人意見ですよ!)
ボトムスは顔から遠いこともあって色はあまり影響しないのですが、形はかなり影響があるので、形重視。
トップスは顔から近いので、色は似合う色なのが絶対と思っています。一方、形はスカーフや羽織りものなどでカバーできるので、形はそこまで重視しなくてもいいかなと。
ただし夏物など1枚で着るものや、ジャケットやカーディガンのような羽織りものは、できれば色と形が両方合うものを探しています。
素材は私の場合、ストレートタイプなので合う素材はお値段がそこそこしてしまいます。ですが私は服はプチプラで済ませたい派です。なので素材は合えばラッキーくらいに思っています。
似合う色・形の服だけが集まったクローゼットを作ろう
これは時間もお金もかかる大変なプロジェクトなので、やりたい方だけやればいいことだと思いますが、クローゼットの中には自分に似合う服だけがある状態は個人的に大変おすすめです。
とはいえ私も作っている途中なのですが、私は「適当に上と下を選んだら、似合っているし、カラーコーディネートもばっちり」なクローゼットにしたいと思っています。
実現するためのアイディアは、
- ボトムスはベーシックカラー。色はなるべく明るめ。(ライトベージュ、ライトグレー、色の薄いデニムなどが候補)
- トップスは自分に似合う色でベーシックでない色をメインにする。
ボトムスを明るめにしたいと考えたのは、
- そのほうが垢抜けて見えるらしいという説を見たから
- パーソナルカラーがウィンタータイプでトップスが重めの色になりがちなので、ボトムスも暗いと全身真っ暗になりかねないから
という2つの理由があります。暗めのボトムスは多いので、そうすれば簡単に完成しそうなのですけど、できるだけ明るめを選んでいます。
また色物×色物の組み合わせは難しくて頭を使うので、頭を使わなくてもいいようにボトムスはベーシックカラー(何にでも合う色)で統一。色物はトップスだけ、と考えています。トップスを色物にするのは、
- 机に座ったときに見えるのはトップスだけ
- 似合う色かどうかの印象が強いのもトップス
だからです。
カーディガン、ジャケットのような羽織りものもベーシックな何にでも合う色をメインにします。ただしこちらは色を濃いめにします。私の場合(1stウィンター・2ndサマーの青み系タイプ)は黒、紺、ワインレッド、ダークグレーなどですね。
このクローゼットができれば、何も考えたくないぐらい心身に余裕が無いときでも適当に選んだ服が好印象という素晴らしいクローゼットができます。何年かかけて少しずつ作っていこうと思います。
ライフハック:1種類の服で一生OK!?
雑誌なんぞ読みたくない! 試着もしたくない! 興味が本当にないんだ!
じゃあ一生それだけでOKの1着を見つけよう!
似合う色・形を把握してこそだと思いますが、一生1種類の服を着回すという手もあるそうです。有名どころではアップルコンピュータ創始者のスティーブ・ジョブズ氏がそうだったそうですが、近年Twitter上で話題になった女性の方もチャレンジしていました。
男性なら似合うスーツを1着と私服を1種類で本当に一生なんとかなりそうですよね。
一生1着だけと定めなくても、「困ったときはこの1着」という服を1~2種類持っておくだけでも違うのではないでしょうか?
お気にいりの色・形の服は2~3枚買ってもいいのかもしれない……。
私は今は服選びがそれなりに楽しいので、一生1着プランは考えていませんが、「何も考えたくないときに着る服」は用意しておきたい気がしています。うっかりしたことにまだ無いんですよ。似合う素材で選ぼうとするとちょっとお高くなりがちなので……。私は一生1着レベルの服なら色も形も素材も全部似合うものにしたいです。
まとめ
- パーソナルカラー診断と骨格診断は服選びに時間をかけたくない人におすすめ
- 服を考えるのが負担な人にもパーソナルカラー診断と骨格診断がおすすめ
- 「似合う服を着ているから大丈夫」と安心感を得たい人にもパーソナルカラー診断と骨格診断がおすすめ
- 似合う、かつ着たい服を見つけよう
- 一生1着で済ませるライフハックも参考にしよう
長い記事を最後まで読んでくださりありがとうございました。皆さんの服選びの負担が減ることを祈っています。