接客中、男性に「美人」と言われて苦痛【ノンホルノンオペFtM】

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世の男性、店員相手に「美人」だとか言う人多くありませんか?

面接や会議などでも、たまに「美人に囲まれてる」とか笑いながら言い出す人がいません?

性自認が男性なのに体が間違いで女性になってしまった人間としては、相手の中で「女性カテゴリ」に入ってることが明確にわかるの、ものすご~~~~~~く不快なんですよね!!

これだけ書くとただの愚痴になってしまうので、もうちょっと「言う側の心理」と「言われる側の心理」を掘り下げてみたいと思います。

言う側の心理を考えてみる

ここで想定している「言う側」は純男性(セクシャルマイノリティでない生まれながらの男性)です。他のカテゴリの人が言う姿が想像できなかったためです。

なんで女性と目した話し相手にわざわざ「美人」などと言うのかを考えてみました。

  • お世辞のつもり
    • (場の空気が和むと思っている?)
  • 無難な言葉だと思っている
    • (美人と言われて喜ばない女性はいないと思っている?)
  • 本心から美人だと思い、伝えたかった

思いつくのはこの3つぐらいです。

この中で私が「許せる」と思えるのは、本心からの言葉を伝えたかったケースだけですね。他は見識の狭さを責めたくなります。

言われる側(女性)の心理を挙げてみる

FtMとして女性扱いが非常に不快だし苦痛なのは言わずもがな。

でもまずは、ここで言われる側の純女性(セクシャルマイノリティでない生まれながらの女性)の心理を、見聞きしたことがある範囲で挙げてみます。

  • お世辞だとすぐにわかる
    • 特に何も思わない
    • 苦痛、不快
    • 悪い気はしない※
  • 女性として意識されている気がする
    • 苦痛、不快
    • セクハラと感じる
    • 悪い気はしない※
  • 定型句として流せる

※:相手の男性にそれなりの好感がある場合は好意的に受け取れる。

たぶんこんな感じだと思います。

私の知る範囲では、接客中にわざわざ「美人」と言われて喜ぶ女性はいないんですよね。無関心、あるいは不快が多いと感じています。

嬉しいと思えるのは相手の男性に好感がある場合だけというケースが大半だったように記憶しています。

例外はあると思いますし、私が知っている女性文化の世界が狭い可能性はもちろんあります。ですが私は以上のように認識しています。

こうして考えると性別によって文化の差がかなりあるように感じますし、その差を実感していない人が多いような気がしてきますね。

FtMが女性扱いを苦痛に感じる理由をわかりやすく言うと

「男なのに女と間違われた」「女なのに男と間違われた」という経験がある方なら想像がつくと思うのですが、そういう経験は無い方も多いのではと思います。(今の時代はネット上ならあるでしょうか?)

なのでわかりやすく例えてみたいと思います。

なぜFtMは女性扱いが苦痛か、その理由をシンプルに表現すると、コンプレックスを美点と評価されるからです。なお、そのコンプレックスは努力で克服できないものとします。

想像してみてください。

  • 背が(高い)低いことを物凄く気にしているのに「高く(低く)っていいなあ」と言われる
  • 足が大きくて(小さくて)嫌なのに、「大きくて(小さくて)羨ましい」と言われる
  • 自分の理想の顔の形があり、それと自分の顔が離れすぎていて気に病んでいるときに、「それで充分キレイ(かっこいい)じゃん」と言われる

イラッとすることのほうが多くありませんか?

中には気が楽になるケースもあるかもしれませんが、それは本当にその人自身を認めていることが伝わるような限られた状況ですよね。

FtMの人たちの中にも、本当に自分自身を認めてくれる人に出会って体が女性であることを受け入れられたという人もいるかもしれません。(私には無理でしたが)

そういう努力ではどうにもできないような強いコンプレックスを「別にいいんじゃない」と軽々しく流されること、コンプレックスだと思わずに褒められること。それがFtMにとっての女性扱いの苦痛なのです。

まとめ

  • 女性に見える人に「美人」だと言う男性が多い気がする
  • 「美人」と言われても何とも思わないか、不快に感じる女性が多い気がしている
  • FtMは女性の体がコンプレックス。コンプレックスを軽々しく流されたり褒められたりするのは苦痛

3行でまとめようとすると強引になりますね。今回はこのくらいにしておきたいと思います。

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書いた人:
白崎矢宵(やよい)

発達障害、特に自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)と診断されています。性別不合(トランスジェンダー・FtM)でもあります。道具やサービスを使って自分の生活を改善しながら、気になった情報を雑多に発信しています。著書「アスペルガーだからこそ私は私」発売中です。

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