私は自己肯定感を身につけて生きるのが楽になりました。ですが、「自己肯定感はなくてもいい」と思います。「ポジティブ思考は良いもの!」ともてはやす風潮にも異を唱えたいです。
というのも、「今の自分を否定するポジティブ思考」に陥る人が多いからです。
ポジティブ思考がいいのは「ネガティブ思考より楽だから」。そのポジティブ思考で苦しんでいたら、本末転倒じゃない?
「明日は今日よりよくなる」は「今日の否定」
ポジティブ思考でよく聞くフレーズ「明日は今日より良い」。一見すると明日に希望を持っているように見えますが、一方で「今日は明日より悪い」ではありませんか?
「1mmでもよくなりたい」という向上心もポジティブ思考の人たちからよく聞くのですが、それもやはり
- 「今日の自分」の否定
- 1mmもよくならなかったとき(後退したときや現状維持)は、どう思うのか
という問題がついてきます。
こういうポジティブ思考は「苦しくなるポジティブ思考」だと私は思っています。
向上心は持たなくてもいい
自己肯定感やポジティブ思考と同時によく取り沙汰される「向上心」。「今より良くなろう」とする心はとても素晴らしいものですが、これも使い方を間違えると「今の自分はダメ」に繋がってしまいます。
正しい向上心の抱き方は、「今のままでも自分は充分に素晴らしい。だけれど、こうすればもっと自分を愛せる」というふうに、「現在を肯定し、なおかつ向上を望む」ことだと思うのです。
「今の自分はダメだ、変わらなきゃ……」と思って本当に良い方向に変われる人もいます。そういう人たちにはその考え方が合っているのでしょう。
ですが、「変わらなきゃ」と思って追い詰められて苦しくなってしまう方は、他の考え方のほうが合っているのではないでしょうか。
自己肯定感も、なくてもいい
自己肯定感は、あると楽です。それは私自身の経験から自信を持って言えます。
ですがこの自己肯定感も、解釈が分かれる言葉です。
私にとって、自己肯定感とは
- 自分はイマイチだが、でもOK
- 失敗したけど、学びもあったからOK
- 100点満点じゃないけれど、楽しかったからOK
というような「マイナスがある(完璧じゃない)けど、肯定できる感覚」です。ですが、違う意味に思っている人も多いのではないでしょうか。
- 自分のダメなところ、気に入らないところも「良いもの」として認めなければいけない?
- 失敗にも価値があるから、失敗が気に食わなくても認めなくてはならない?
ダメなところ、気に入らないところはそのまま「ダメだ!」「気に入らない!」と思っていいのです。ダメなところや気に入らないところがあってもあなたはOKな存在なのです。
同様に、失敗にどうしても価値を感じられないときは、感じなくてもいいと思うのです。「どうしようもないただの失敗だ! 消し去りたい!」と思っていいのです。でも、そんな失敗をしたあなたもOK。
自己肯定感とは「ネガティブなことがあるけど、でもOK!」と思える心だと思います。悪いもの、ダメなものをポジティブ思考で強引に認める心とは限らないと思います。(それができる人はやっていいんですよ、もちろん)
そして、「自分はOKだ!」と肯定できなくても、それはそれでOKなんです。どうしても認められないものは世の中にあります。それがたまたま自分だっただけの話です。認める気になったときには認め、その気になれないときは認めなくていいのではないでしょうか。
まとめ:ポジティブ思考には、ならなくてもいい
もしポジティブ思考になろうとして苦しくなるなら、ポジティブ思考にならなくていいのです。それはあなたに合わない考え方です。
同様に、向上心や自己肯定感も、無ければ無くてもいいと私は思っています。
人生に「こうでなきゃダメ」はありません。楽に生きられる道を探していきましょう。