ネガティブ思考の良さやメリット

二次障害(うつ病、不安障害)
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この記事は旧ブログ(削除済)からのリライト記事です。

ネガティブ思考には良さやメリットがあります。その具体的な説明をしてみようと思います。心理学系の雑学本で読んだ話のアレンジや、自分なりに考えたことをミックスしてあります。

動物の本能である

ネガティブ思考の良さは、動物本来の自然な姿であるということです。

突然ですが、野生動物の暮らしを考えてみましょう。草食でも肉食でも構いませんが、考えやすいので、まずは草食動物について。

草食動物はいつ肉食動物に襲われるかわからない状態で暮らしています。ですので非常に広い視野を持っており、ほぼ360度見渡せる生物もいるそうですね。襲ってくる肉食動物に気がついたら食事の途中でも必死で逃げ回ります。そういう生活をポジティブ思考でしていると思いますか? 「いつ襲われてしまうだろう、敵に見つからないうちに急いでご飯を食べて隠れ家に戻らなくちゃ」と考えながら生きているとしたら、ものすごくネガティブではないでしょうか。

肉食動物もネガティブだと思います。彼らは生きていくには他の動物を食べるしかありません。そのためにまず狩りを上手くならなくてはならず、狩りが上手くなったら獲物を見つけたら逃さずに仕留めなくてはなりません。見つけた獲物を仕留めて食べられなかったら、次に獲物を見つけられるのが何日後かわかりません。今日食べなければ何日食べられないかわからないのです。「また明日見つかるから今日は早く寝ちゃおう」などとポジティブに構えていたら、死んでしまうのです。

ネガティブ思考は動物本来の姿です。決しておかしなことではありませんし、自然にネガティブになってしまうほうが当たり前だと私は思います。

受けるショックを和らげる効果がある

ネガティブ思考にはメリットもあります。

あなたは学生で、テストを受けたとします。その結果は、50点だったのですが……結果がわかるまでの間、以下のように考えていた場合、どちらのほうがショックが少ないでしょうか。

  1. 「結構すらすら解けたし、80点はいったな!」とポジティブに予想する
  2. 「あまり真剣に勉強しなかったし、20点くらいだろう」とネガティブに予想する

1の場合だと、予想より-30点です。思っていたより悪かったことで、ショックも大きいかもしれません。

2の場合なら、予想より+30点ですね。思っていたよりもずっと点数がよくて、嬉しい気持ちのほうが大きいのではないでしょうか。

という感じで、不確定な未来への予想をネガティブに考えたとき、受けるショックは和らぐと言えます。

ただ、ポジティブ思考が付け焼き刃でなく根っからのポジティブ人間な方は、80点を予想していたところが50点でも「ま、いいか。次のテストで100点目指せば平均したらあんまり変わらないや!」とショックを和らげる術も持っているかもしれないので、単純に「ネガティブなほうがお得」とは言えませんが……。

覚悟ができる

私の知人には「ネガティブすぎて逆にポジティブ」という知人がいます。

考えられうる最悪パターンを全部考える(ネガティブ思考)

この件についてこれだけの悪いことを考えた! 覚悟ができた! どうなっても頑張るぞ!(ポジティブ思考)

という風に、ネガティブ思考をうまく使って覚悟を決めているようなのです。行き過ぎたネガティブ思考はポジティブ思考への足掛かりとなるのですね。

周到な準備ができる

ネガティブ思考や不安が強い人は、不安に駆られて準備を念入りに行うことがあります。その結果、楽観的に構えて何も準備していなかった人よりも遥かに良い結果を残すことがあります。これはネガティブ思考のメリットでしょう。

ネガティブ思考から不安に駆られて物事が手につかなくなってしまうとデメリットになってしまいますが、「念入りに準備をしよう」という気持ちになれれば、ネガティブさを活かして成功につなげることができます。私は物事の準備をするときには自分の不安障害ぶりを活用しています。

以下の本にも同様のことが書いています。「不安を裏返すと本当の望みが見えてくるから、その達成に向けて動こう」という主旨の本で、ワークシートがついています。不安に駆られて物事を失敗しやすい方におすすめです。

ネガティブ思考の苦しみを減らすには

ネガティブ思考には良さやメリットがあるものですが、苦しい面があることも事実です。ネガティブ思考から抜け出したいと思っている人の多くは、その苦しさから逃れたいのではないでしょうか。私の場合はそうでした。

ネガティブ思考に沈んでしまって苦しいときも、少し考え方を変えると抜き出すきっかけが掴めることがあります。たとえば「自分は駄目な人間なんだ」と落ち込んでしまって苦しいときには、「今の自分はこれ以上駄目な人間にはなりようがないくらい駄目だ! それなら今後は、このまま変わらないか、よくなっていくか、そのどっちかだ!」という考え方はどうでしょうか。今、底辺にいるのだから、今よりダメになることはないということです。「自分は最低だ!」とは、つまり「これ以上落ちるところはないところまで落ちてる。あとは這い上がるだけ!」ということです。テストの点でいうと0点以下はないので、今が0点なら、今後は何点になっても今より上がっているか現状維持なのです。

ネガティブ思考にはよく「劣等感」がついてきます。これもまた良い面があり、「劣等感を抱いている人は、自分を変えたい、よりよい存在になりたいという向上心が強い」のです。それが自分を否定する方向に向いてしまうので、つらくて苦しいのです。「今の自分もOKだけど、もっと良くなったら点数がプラスされる」というような自分を肯定しながら向上心を抱く方向が理想的ではないかと思っています。

思考のクセは、どちらも正しい

私は長年ネガティブ思考で、そこからポジティブ思考に変わっていった人間ですが、私の母はポジティブ思考歴が長すぎてネガティブ思考の人への理解があまりにもありません。そのため、ネガティブ思考の人への声かけがものすごく否定的になっていることがあります。一方で、ネガティブ思考歴が長い人はポジティブ思考には抵抗感を抱くこともあると思います。

ネガティブ思考の人は、ポジティブ思考に変えていくのが難しい。

そしてポジティブ思考の人も、ネガティブ思考に変えていくのが難しい。

ネガティブ思考もポジティブ思考も単なる思考のクセであって、どちらでもいいのです。どちらかが正しくてどちらが間違いというものではありません。ポジティブ思考の素晴らしさばっかり取り上げられる世の中ですが、ネガティブ思考は安全策です。自閉スペクトラム症の人たちは安定志向であると言われますので、悪くない思考スタイルだと私は思います。

もちろん、根っからのポジティブ思考の方や、ネガティブ思考が嫌でポジティブ思考を身につけた方も、それはそれで素晴らしいことです。本当にポジティブ思考が根付いている方は、上の方で書いた通り、予想に反して悪いことが起きてもすぐに考え方を変えることができると思うからです。

いつでもポジティブ(ネガティブ)な人はいないのではないか

私自身もそうなのですが、「調子がいいときはポジティブだけど、調子がよくないときはネガティブ」という人がたぶん世の中の大多数を占めるのではないでしょうか。私はそれが自然な姿だと思いますし、無理やりに思考スタイルを変えようという考え方には賛成できません。

思考のクセを変えるのは単純に難しいことですし、下手をしたら現在の自分を自分で否定してしまうこと(自己否定)に繋がるからです。自分の自然な姿を受け入れるところ(自己受容)からが、生きる上での気楽さを手に入れるスタート地点です。

誰だって気分のいいときは前向きな気持ちになりますし、体調が悪かったり嫌な出来事があると気持ちが落ち込むのも自然なことです。「ポジティブにならなければならない」「ネガティブ思考はよくない」と自分を否定しないで、「自分はネガティブ思考だけど、それはそれでいいところがあるんだ」と思えるようになるのが大切なことじゃないかと思います。

書いた人:
白崎やよい

発達障害、特に自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)と診断されています。30代です。肉体の性別に違和感がありFtXなのではと思っています。道具やサービスを使って自分の生活を改善しながら、気になった情報を雑多に発信しています。著書「アスペルガーだからこそ私は私」発売中です。

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以前書いていたブログ「他者と私とアスペルガー症候群」の記事を抜粋し読みやすく書き改めたもので、6年近い自己分析の集大成です。
母から見た生育歴、母と私のすれ違いを解消した記録もあります。自閉スペクトラム症の子と定型発達の親のすれ違いが両方の視点から読める本です。

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