私が人生の中で最もやってはいけないことだと思っているのは「価値観の押しつけ」です。したくもないし、されたくもない。これは私が自閉スペクトラム症やセクシャルマイノリティという少数派の感覚を持っているからかもしれません。
私には私の価値観があります。否定されたら腹が立ちます。あなたにもあなたの価値観がありますね。それを否定されたくはないでしょう。
だから互いに価値観を認め合いたいと私は思っています。「尊重し合う」とも言いますが、個人的なイメージとしては不可侵条約です。あなたの価値観に口出ししないから、私の価値観にも口出ししないでね、ということです。
私はこれができるようになってから、人付き合いのトラブルが格段に減りました。
他の人たちと自分の価値観の差
世の中には「私がやらなくてもいいこと」(やりたくないこと、やる必要性を感じないこと、適性がなくてできないこと)が多数存在します。
ではそれらは価値の無いことなのでしょうか。そんなことはありません。なぜって、やらなくてもいいからといって価値を感じていないわけではないからです。
もちろん、価値を感じない物事もあります。ですがそれは私の目線であり、他の人にとっては違いますね。
例をいくつか出しましょう。
スーパーのレジ
スーパーのレジ打ちの仕事を「生き甲斐なんだ! これをするために生まれてきたんだ!」と思っている人はいますか? 勝手な想像ですが、そこまでの感想を持っている人は少数派ではないかと思います。
では、スーパーのレジ打ちの仕事に価値はありませんか?
そんなことはないはずですね。
無人レジ
「価値がないから無人レジに置き換える動きが出ている」という意見もあります。確かにそうです。私もその動きには賛成です。
では無人レジが全世界の店舗に100%普及するのは何年後でしょうか。
日本国内だけでも10年や20年では終わらないのではないかと私は思っています。その間、レジ業務を支える人が必要ですね。
レジ業務にも、価値がある
やり甲斐はないかもしれない。あなたのやりたい仕事ではないかもしれない。私のやりたい仕事でもない。
でも、価値はあるのです。
マンガ
マンガ反対派は世の中に根強くいらっしゃいます。そういう方々にとってはマンガは存在価値がなく、消えてほしいものなのでしょう。
ではどうして世の中にこんなにマンガが存在するんでしょうね?
読みたい人、描きたい人がいるからですよね。その人たちにとっては価値が高いことなのです。有料で売買されるくらい、一大産業になるくらいの価値があるのです。
まとめ:様々な価値観を「不可侵」で見守ろう
あなたにとって必要がなくても、他の誰かにとっては必要。そういうものは無数にあります。だから世の中には膨大なものが存在しているのです。あらゆる人の視点を考えれば、この世に価値のないものは無いのではないかと思います。
それを個人的な価値観で潰そうとすることは、私の人生にとっての禁忌事項である価値観の押しつけです。もっとも、「価値観の押しつけが禁忌」というのは私の価値観なので、禁忌とは思っていない人もいることでしょう。私はそういう人たちの価値観も否定したくありません。
私と違う価値観がある人は、私の価値観を否定しないでくださいね。私もあなたの価値観を否定しませんので。賛同はしないかもしれないですけどね。
すべての物事に価値があると私が実感したエピソードを紹介しているのは、こちらの記事です。