購入後2ヶ月以上が経過。聴覚過敏対策グッズの感想まとめ

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自閉スペクトラム症お助けアイテム
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私には聴覚過敏があり、音の刺激が強いことで疲労度も増します。そのため、今年に入ってまた聴覚過敏対策をいろいろやってみています。

以前は調査・費用の負担が大きいので対策を放棄していたのですが、それではやはり健康上の問題(疲労しすぎる・それに伴ううつ傾向など)が起きるので、対策は必須のようです。

聴覚過敏の対策は、まず苦手な音の周波数帯を調べることから始まります。その上で、苦手な音に対する防音性が高い商品を見極める必要があります。特定の周波数帯は通す製品も少なくありません。特に日常会話の周波数帯は通すようになっている製品が多いため、その日常会話を防ぎたい私はかなり調査に苦労します。高性能なものを買うには費用もかかります。

一苦労しながらいろいろ試した感想を書きますので、聴覚過敏に苦しむ同志のご参考になれば幸いです。

苦手な音

私が苦手とする音は人の声です。特に女性や子供の甲高い声が苦手です。他にもテレビ、ラジオ、街頭の宣伝などの放送の音が苦手です。ガヤガヤ・ざわざわというざわめき音も苦手で、不安発作が起きることもあります。店頭BGMなども大抵しんどいです。

機械の動作音、車の走行音などはさほど苦になりませんので、音量自体が下がればそれでいいかと思っています。

私の苦手な音の周波数帯は、諸説あるので参照サイトごとに若干違うのですが、人の声は話し声・歌声両方を含めると100Hz~1,000Hz程度だそうです。私の場合、この辺りがしっかりカットされる製品を探すことになります。

もっとも愛用しているもの:3M PELTOR X4A

現在、もっとも愛用している聴覚過敏対策グッズは、「3M PELTOR X4A」です。購入して3ヶ月くらいになりますが、日常的に使っています。

この製品は防音性が抜群に良く、性能の割にはコンパクトで軽いです。とはいってもサイズはともかく、重量は234gありますので、着用してデスクワークするのは至難です。

着用しても無音にはなりませんが、周囲の音が話し声も含めてほどほどに和らぎ、快適な聞き心地になります。大きめな声(受付の人や呼びかけ声など)は着用していても聞き取れます。

食事中に同席の人の咀嚼音や食器の音、会話などが気に障ることが多いのですが、そのときにも活用しています。耳栓と違って自分の咀嚼音が不快なほどは響かないので、便利です。

ウレタンフォームの耳栓と違って手軽に着用でき、着用直後から音が軽減できるのも大きな魅力です。ウレタンフォームは潰す手間と膨らむまでの待ち時間があり、煩わしいです。

石井マークさんの「聴覚過敏保護用シンボルマーク」を貼り付けて使っています

向いている用途

  • 食事中
  • 公共交通での移動中
  • 病院の待合室
  • 自家用車での移動中(カーステレオ対策)
  • スーパーなどBGMのある店舗での買い物中
  • その他、短時間の着用

向いていない用途

  • 長時間の着用
  • デスクワーク
  • 睡眠中

そこそこ使っているもの:MOLDEX 耳栓各種

MOLDEXの耳栓もなんだかんだでそこそこ使っています。特に使うのはSparkplugs。一番柔らかくて、それでいて防音性もかなりあるので気に入っています。

周囲の音が聞こえなくなりすぎることがあり、病院の待合室など適度に人の声を聞きたい環境では不便です。耳に挿入するため、食事中は自分の咀嚼音が響くことになり不快で使えません。

潰す手間と膨らむまでの待ち時間の関係で、今すぐ音を軽減したいというときには使いづらいのが難点。基本は使い捨てなので、個数がたくさん必要なこともデメリットです。エタノールで拭いて使っていると、結構長持ちはしますが……。

MOLDEXの耳栓各種の全体的な感想はこちら。

向いている用途

  • デスクワーク
  • 公共交通での移動中
  • スーパーなどBGMのある店舗での買い物中
  • 自家用車での移動中(カーステレオ対策)
  • 睡眠中

向いていない用途

  • 病院の待合室
  • 食事中

買ったが使っていないもの1:デジタル耳栓MM2000

ノイズキャンセリング製品には一切手を出したことがなかったので、使ってみたくなり購入しましたが、ほとんど使っていません。

問題点はこちらの記事にも書いたのですが「疲労は全く軽減されない気がする」「気分が悪くなることがある」という2点。ノイズキャンセリングの性質上、ずっと音を流し続けているので、そのせいで疲労度が変わらないのかもしれません。疲労軽減の目的で聴覚過敏対策をしているので、疲労度に差がないのであれば使う理由がありません。

しかしながら利点はあります。ガヤガヤ・ざわめきを抑えつつ、付近の人の声は聞き取ることができるのです。そのため役所や銀行のようなざわめきが大きい場所では使いやすいです。職場で雑談の声が大きいときにも使えるかもしれません。今はフリーランスなので関係ないのですが。

しかしノイズキャンセリングの強度が調整できないため、結局音が消えきらないことが多く、中途半端な製品という印象が強いです。

買ったが使っていないもの2:SUREFIRE EP4 SONIC DEFENDER

フタを開けると人の声が聞き取りやすくなり、閉めると防音性が上がるとのことで購入してみた商品です。

防音性はあまり高くなく、着用時の音の聞こえ方も好みではありません。この商品で一度外耳を怪我して痛くなったあと、敬遠してしまって使わなくなりました。

ウレタンフォームの耳栓と違って手早く着用できるので、その点はメリットかと思います。

オススメ商品

イヤーマフが苦にならない方には「3M PELTOR X4A」が全力でオススメです。

耳に挿入するタイプは、私が使った範囲ではMOLDEXがいい感じでした。お試しセットで合うものを探せるのも魅力です。

気になっている商品

手持ちの商品で不足なのは、「ガヤガヤ・ざわざわしている状況で普通の会話をしたいとき」に使えるものがない点です。(デジタル耳栓が使えないこともないですが、周囲の音量軽減力が低いです)

また手持ちには「挿入しやすさ」と「音の快適性」の両方を気に入っている商品がありません。

その辺をカバーしてくれそうなグッズを調査中です。今の時点で知っていて気になっているものは以下の通りです。

3M プッシュインス

ウレタンフォームの耳栓なのですが、潰さずに押し込むだけで防音性を発揮できるという魅力的な商品です。防音性能も高めのようです。

TILDE

オフィス用のノイズキャンセリング製品です。ノイズキャンセリングの強度はさほどでなく、「周囲の雑音の音量を下げる」という程度であり、完全な静音を求める方には向きません。

が、「トークインノイズ」機能を使うと周囲の雑音が更に1段階小さな音になり、代わりに正面の音が聞き取りやすくなり、特に人の声ははっきりと聞き取れます。一方、正面以外の人の声はほとんど聞こえなくなるので、騒音の中での会話の助けになることは間違いないでしょう。

重量は40gと非常に軽量。職場で使うのにはとても向いている感じがしました。試用した感想はもう少し詳しく書いています。

まとめ:聴覚過敏対策は一筋縄でいかない

調査も大変、買うのも大変、買っても効果が出ないこともある。聴覚過敏対策は本当に面倒です。そこまでする気力がなかったため、何年も放棄していましたが、それでは健康を保って活動することができないとわかったため、対策しなくてはならなくなりました。

イヤーマフや耳栓を着用せずに過ごしたいものですが、疲労があると周囲の音がつらくて苦しいので、対策が必要なのです……。

自閉スペクトラム症お助けアイテム
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書いた人:
白崎矢宵(やよい)

発達障害、特に自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)と診断されています。性別不合(トランスジェンダー・FtM)でもあります。道具やサービスを使って自分の生活を改善しながら、気になった情報を雑多に発信しています。著書「アスペルガーだからこそ私は私」発売中です。

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以前書いていたブログ「他者と私とアスペルガー症候群」の記事を抜粋し読みやすく書き改めたもので、6年近い自己分析の集大成です。
母から見た生育歴、母と私のすれ違いを解消した記録もあります。自閉スペクトラム症の子と定型発達の親のすれ違いが両方の視点から読める本です。

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