「しょぼい起業で生きていく」を買って読みました。

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面白そうだなーと気になっていた「しょぼい起業で生きていく」を買って読みました。

そして思いました。「しょぼくない」

私には、絶対無理な起業スタイル

「しょぼい起業」に書かれている案は、「店に住めば家賃0円」とか「店を開けてると誰かが来てなんとなくものが売れる」という感じのゆるいアイディアです。

が、臨機応変が体調不良を起こすほど苦手な私にとって、「店に住んで開店し続ける」という暮らし方は間違いなく無理です。どう考えても予期せぬ出来事の連続になります。うつ病になって死ぬと思います。

なのでえらてんスタイルを直接真似するのは難しいと感じました。

ハードルの低い起業アイディアは良い

しかしながら、「自己資金0からでも始めていい」「収益を上げようと必死にならなくてもいい」という基本的な考え方には共感しますし、勇気をもらいました

えらてんさんは「謎の店を開き続けて発生する謎の売り上げで、店をなんとなく維持しているうちになんか協力者が出てくる」という感じでそれなりの収益を上げているらしいです。そういうアバウトな事業でも食っていける収益を出している人がいるのだから、自分も挑戦してみてもいいんじゃないかと思えました。

地元の実例もある

いつぞや知ったパニック障害の人のアクセサリーショップ(地元)は、

  • 営業時間は1日4時間
  • 不定休
  • 急に休むこともある

というゆるい営業スタイルで続いているお店なのですが、物販メインということもあって

  • 通販でも売れる
  • 観光エリアへの委託販売でも売れる
  • イベント出店でも売れる

という感じにそこそこ収益があり、「月2回イベントに出ればお店の維持費は出てくる」というお話を聞けました。「店が維持できればOK」という運営スタイルには共感できます。

自分がやりたい店に当てはめてみる

私が将来やりたいお店はカフェなのですが(詳しくはnoteの記事へ)、私は臨機応変が体調不良を起こすくらいできないので、カフェとして店舗を持つのはやめたほうがいいんじゃないかと今は思っています。その考えも「しょぼい起業で生きていく」を読んでからよりはっきりとしました。

「カフェが本業のほうが本気を出してカフェができるんじゃないか」と考えたこともあったのですが、収益の元はカフェだけじゃなくてもいいと思いました。それは最近通っている起業セミナーで学んだこととも共通しています(赤字部門があっても、黒字部門があれば会社は維持できるという話でした)。

私の体調面を考えても、私がカフェ店員をやるのが前提であれば週1回でも難しいんじゃないかと思うほどです。まだやったことがないのでわかりませんが、おそらく相当な疲労になると思うのです。

私がやりたいようなカフェは、地元には競合店がないので、月1回だとしても存在意義があると思っています。競合店の出現は歓迎ですし、私のところが合わない人はそっちに行ってほしいと思います。私がやる意味がなくなるくらい競合店が頑張ってくれたら、私はやめてもいいと思っています。私の目標は地域に「悩みを話せる当事者カフェ」を作ることであり、自分が営業することにこだわってはいないのです。

もし「店舗を持って毎日開いてほしい」と言ってくれる人が複数出てきたら、そのときには知名度も上がっていると思うので、そうなってから店舗作りを考えたらいいのかなと思いました。その頃には従業員になってくれる人もいるかもしれませんし、収益も安定しているかもしれないので。

「死臭がする店」の話

この本の中でもうひとつ、非常に参考になる話がありました。それは死臭の話です。もちろん死体の臭いではありません。「この店、もうだめだな。潰れるな」という感じのことを、えらてんさんは「死臭がする」と表現されています。その死臭の正体の一例として「店主が『暇だな~』『店閉めたい』などとSNSで発信すること」と書かれていました。正直に言って、ものすごく納得できる話でした。

少し違うのですが身近に実例があります。ある事業をやっている知人は長らくポジティブな人だったのですが、だんだん批判的な意見ばかり言うようになり、年月が経つにつれて愚痴と批判ばかりをSNSに書くようになっていったのです。その人の事業がどうなっているのかは私は存じませんが、まだ続いていますし問い合わせもあるらしいので、それなりの収益なのかもしれません。ですがその人の発信を見ているうちに、私はその人に関わる気がなくなり、連絡もしなくなってSNSも見なくなりました。今問い合わせている人たちは何が良いのだろうと思ってしまうほどですが、その人と共通の価値観を持っていて共感できるのかもしれません。

別の人のお店でも、似たようなことがありました。店主がものすごく人を振り回す人で、何かをやってもらってもろくな対価を払わないので、だんだん人が離れていったのです。やはり愚痴や不満、ひけらかしが多い人からは人が離れていくと感じます。だからといってその人は孤独になったわけではなく、それなりの交流を持っていますし、お店も続いています。離れる人もいれば、ついていく人もいるということですね。

えらてんさんの本では「人が来ない店はますます人が遠のく」として死臭の話も出されていたのですが、私が知っている「人が離れていった人」は別の人脈を得てお店を続けているので、本人にやめる気がなければ店は続くものと思ってもいいのかもしれません。続ける気があればいくらでも続けられるというか。ある意味では希望ですね。

「会社勤めが向いてないから起業」

本の感想に戻りますが、「しょぼい起業で生きていく」は「会社勤めが向いていないので起業した」という感じの本です。その点は私も同じで、一般的な会社だとうつ病がひどくなって続きません。ですが私は働きたいし提供したいサービスもあるので、自分にできる範囲で事業を始めると考えたらいいのかなと思っています。

「事業計画を立て自己資金を用意し……」と肩肘張ってやるだけが起業じゃないと思わせてくれる良い本でした。

ちなみに私が考えているカフェは、来年4月から月1回のイベント形式で定期開催する予定で企画進行中です。開催の際はよろしくお願いします。

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書いた人:
白崎矢宵(やよい)

発達障害、特に自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)と診断されています。性別不合(トランスジェンダー・FtM)でもあります。道具やサービスを使って自分の生活を改善しながら、気になった情報を雑多に発信しています。著書「アスペルガーだからこそ私は私」発売中です。

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以前書いていたブログ「他者と私とアスペルガー症候群」の記事を抜粋し読みやすく書き改めたもので、6年近い自己分析の集大成です。
母から見た生育歴、母と私のすれ違いを解消した記録もあります。自閉スペクトラム症の子と定型発達の親のすれ違いが両方の視点から読める本です。

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