私が好きだった仕事の話

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自閉スペクトラム症
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この記事は旧ブログ(削除済)からのリライト記事です。

私は一時期会社勤めをしていました。会社Aでは2009年10月~2010年12月の1年2ヶ月、会社Bでは2019年2月~6月初頭の約4ヶ月です。その頃任せられていた仕事はいろいろありました。

各会社でやっていた仕事

それぞれの会社で担当していた仕事は以下の通りです。この中で、私がやり甲斐を感じて楽しいと思っていた仕事はどれだと思いますか? 

会社Aでやっていた仕事

  1. 商品リーフレットへのスタンプ押し
  2. 社内で保管する控えの書類を毎日フラットファイルへ綴じる作業
  3. 営業用物品保管庫の整理整頓
  4. 顧客の契約状況の調査、関連書類の廃棄
  5. 外務社員が持ち歩く顧客情報の整理
  6. 来店した顧客の書類の手続き(簡単なもののみ)
  7. ポスティング用のリーフレット&ポケットティッシュの袋詰め

他にもあるのですが、概ね「一般事務」という感じの仕事だと思います。

なお、もっともハイレベルで通常は社員が行う仕事が6(私は障害者枠のパートタイマーでした)、以前は他の社員がやっていた作業が2と5です。

会社Bでやっていた仕事

会社Bではやることが次々移り変わっていき、決まってやっていたことは無かったのですが(それが理由で疲労が強すぎて退職)、以下のような仕事をしていました。

  1. 資料作成・作成補助
  2. ダイレクトメール封入
  3. 経理情報などのデータ入力
  4. ウェブディスカッションの臨時人員
  5. 文章作成

私がやり甲斐を感じたものは?

さて、上記の仕事の中で私がやり甲斐を感じて好きだった仕事に見当はつきましたか?

会社Aでは社員レベルの仕事もときどきしていました。というと、やり甲斐を感じるのもやはり「社員レベルの仕事」と思われるかもしれませんね。

しかし、実際に私がとても楽しんで取り組めて充実感を感じていたのは、会社Aでは1、3、7、会社Bでは1、2、3のような「単純作業」に分類される作業でした。

逆に会社Aの6(社員レベルの仕事)は、能力的には問題なく行えましたのでやることも結構多かったのですが、プレッシャーを感じることが多く、つらい仕事でした。

1のスタンプ押しなどは「大学院まで行っている白崎さんに頼んで申し訳ない」と上司には言われましたが、完成品が目の前にずらりと並ぶので達成感が非常に高かったです。「きれいに押してくれてる」とか「随分たくさん押したね」と通りすがりの社員や営業にリーフレットを持ち歩く外務社員に褒められることもあり、それも充実感に繋がっていました。

倉庫整理も楽しかった

会社Aの3「営業用物品保管庫の整理整頓」(倉庫整理)は、人事異動後に新しく来た課長が「お片づけ好き」な方で、「外務の人がすっと入ってパッと取っていけるような感じに倉庫を整理したい」と言われ、案をいくつか聞いたあと、倉庫に何時間も閉じこもって作業をしていました。

倉庫整理自体は、「同じもの(似たようなもの)を一ヶ所に集める作業」なので、難しさはありません。タオルやラップ、入浴剤など小物ばかりなので、荷物が重くて困ることもありませんでした。

私自身が視覚情報を拾い落としやすい性質があるので、パッと見てわかりやすい配置にすることに、困難は逆にありませんでした。私が見やすければ、他の人にとっても見やすいだろうと想像できるからです。

そして片づけ終えて課長に報告に行くと、課長は必ず倉庫を確認しに来て「白崎さん、これいいわ! すごくいい!」と絶賛してくださりました。それもまた、自信と達成感、充実感に繋がっていました。

ポスティング用品作りも大好きだった

7のポスティング用品作りは、後々何年も楽しかったと思い返すような仕事です。

それまで、ポスティング用品は必要に迫られた時期にしか作ることができていませんでした。が、私が担当することになってからは、ポスティング用品を事務室の片隅に常備しておくことができるようになり、外務社員が外回りに出かけるときに頻繁に持ち出すようになりました。

こちらも、机の上にポケットティッシュを詰めた袋の山がたくさんできるため、一目で見てわかりやすい達成感がありました。ポケットティッシュを詰めたあとに袋にリーフレットを入れるには少しコツが必要だったのですが(上手く入れないとポケットティッシュにリーフレットが引っかかってしまう)、そのコツをつかみ、すいすいリーフレットを入れていけるようになったのも楽しかったです。

その他にも多数の工夫と技術の習得があって成り立っていた仕事で、本当に楽しく、10年近く経った今でも懐かしむほどです。

会社Bではデータ入力が一番楽しかった

会社Bは接客業で不定形なサービスが多かったので、全体的に私には対応しづらいものが多かったです。

その中でデータ入力だけは定型作業で納期も明確に定まっていたので、一番楽しんで取り組むことができました。

頭脳労働は苦手

私を頭脳労働向きだと思う方は少なくありません。できないわけではないと思います。学生時代などはプログラミングを学業でも趣味の範囲でも楽しんだりしてはいました。会社勤めしていた時期にも、頭脳労働もありましたがそれなりにできていました。

ですが、実際に働いてみて充実感を感じやすかったのは、成果物の品質と量が確認しやすい「リーフレットへのスタンプ押し」「ポスティング用品の用意」「倉庫整理」「データ入力」という単純作業でした。

過去に作業所でPC解体をしていましたが、単にPCの中身を見るのが面白いというだけでなく、

  • 勤務時間内にこなせた台数が評価の指標になる
  • PCがパーツ単位にばらばらになることで作業の成果がわかりやすい
  • 作業の完成形が明確

などの点が私にとってはやりやすいのです。

会社Bでは頭脳労働が多かったのですが、職場環境が合わなかったこともあり、健康を維持して取り組むことはできず、4ヶ月で退職してしまいました。

適職や仕事のしやすさについて考えてみた

以前、noteでは自分の適職を考える記事を書きました。リンクしておきます。

自分の適性と障害特性から「今の自分」の適職を考えてみる

「隠れアスペルガーさんの才能・仕事の見つけ方」を元に、自分の適職を考える

また私が仕事をするためには具体的な指示が必要になるのですが、どのような具体性であればよいのかをこちらの記事に書きました。

今はまだ適職にたどりついているとは言えない状況ですが、自分なりの働き方を模索していこうと思っています。

自閉スペクトラム症
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書いた人:
白崎矢宵(やよい)

発達障害、特に自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)と診断されています。性別不合(トランスジェンダー・FtM)でもあります。道具やサービスを使って自分の生活を改善しながら、気になった情報を雑多に発信しています。著書「アスペルガーだからこそ私は私」発売中です。

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以前書いていたブログ「他者と私とアスペルガー症候群」の記事を抜粋し読みやすく書き改めたもので、6年近い自己分析の集大成です。
母から見た生育歴、母と私のすれ違いを解消した記録もあります。自閉スペクトラム症の子と定型発達の親のすれ違いが両方の視点から読める本です。

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