性の違和感と生きる意欲の関係

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私は子どものころから「自分が女性でない気がする」という感覚を抱いて生きてきました。人にオープンにできるようになったのはつい最近、35歳半になった頃からです。

初めて他人に相談したのは大学生のとき

母親があまり偏見のない人なので、母親に少しだけ話したことはあったのですが、他人に性の違和感について初めて話したのは大学生のときです。その頃、私はうつ病を発症しており、病院の治療のほかにスクールカウンセラーの臨床心理士さんにときどき相談に行っていました。当時の診断名は統合失調症で、アスペルガー症候群であることはまだ発覚していませんでした。

性の違和感については大学生になってからはかなり思い悩むようになり、ネットで見知らぬ人と話したこともありました。2ちゃんねる(当時)に「自分の性自認や性志向がわからない」と書き込んでみたときには「ビアンでタチなんじゃないか」と言われたので、そうなのかなぁと思ってSNSを経由してビアンやFtMの女性の方々と交流したこともあります。

統合失調症と言われていた頃には性同一性障害なのかどうか診断をしてもらいたいと思っていました。しかしながら臨床心理士さんには「統合失調症の病気の症状かもしれない。ほかに持病がない状態にならなければ、診断はできない。まずは統合失調症を治すところから」と言われてしまいました。その頃、統合失調症の治療の成果は上がらず、全く改善しない状態が2年ほど続いていました。今では誤診だったのではないかと思っています。

うつがどんどん悪化

それから少し経ってアスペルガー症候群であることが発覚しました。就職して無理をしたあとは3年ばかり身動きできなくなり、ひきこもって暮らしていました。その後もうつ病の状態はかなり悪く、自殺未遂を何度か繰り返していました。(そのうちしなくなりましたが)

その間、性の違和感はあまり気にならなかったというのが正直なところです。自分の性別よりも、「自分のような無価値な人間は生きていてはいけないのではないか」という考えのほうが大きかったので、性別にこだわる余裕がありませんでした。なのでその頃やっていたブログにも性の違和感については書きませんでした。

うつ病が治ってから、また性の違和感が悪化

アスペルガー症候群だとわかってから10年近く経って、診断書にうつ病と書かれなくなりました。かなり活力をもって日々を暮らすことができるようになってきましたが、元気になってくるにつれて性の違和感も強くなっていきました。社会生活を送るようになり、人と関わる機会も増えてきて、また自分の性がどうでもよくないことになったのです。

元気であればあるほど、活発に日々を過ごせば過ごすほど、性の違和感はつきまとってきます。私は不安障害でもあるので、「人と接するときの不安を少しでも減らしたい」と思って服装を意識するようになったところ、女性らしさが増してしまい、性の違和感という観点では余計にイヤな思いをすることになってしまいました。

今なら性同一性障害の診断も受けられるのではないかと思っても、地元に病院がなく、旅行しなければ受診できません。

女であることはイヤですが、書類で「女」に〇をつけることはできるので、社会生活上の不都合はありません。性別が「女」になっている身分証明書を提示することもできます。

ですが私は自分らしく生きられている気がしません。着たい服は女物ですが、女として扱われるのはツラいという中途半端な状態です。自分が堂々とできないのは、自分の性の違和感が根源なのではないかという気がします。

生きる意欲が高まるほど、強まる性の違和感。違和感を吹っ切れたら、私は本当に自分らしい生き方をできるのではないかと思います。そのために必要なことはまだわかりませんが、自分らしい人生を生きられるようになりたいです。

FtM/FtX
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書いた人:
白崎矢宵(やよい)

発達障害、特に自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)と診断されています。性別不合(トランスジェンダー・FtM)でもあります。道具やサービスを使って自分の生活を改善しながら、気になった情報を雑多に発信しています。著書「アスペルガーだからこそ私は私」発売中です。

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