診断名をアイデンティティにすること

自閉スペクトラム症関連
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最近知ったブログ「ぬしさまの巣穴」に「診断名をアイデンティティとするのは、長期的に……という話」という記事がありました。非常に私にクリティカルヒットする記事でした。

私もまた診断名に振り回されていた人間です。私にアスペルガー症候群の疑いが浮上したのは、転院して診断名が未定の状況に陥ったときにパニックを起こしたからです。

DSM改訂時も、自分が新しい診断基準で自閉スペクトラム症になるのか不安になって医師に尋ねました。なると言われて安心したのですが、ならないと言われたらどうだったかわかりません。

ところで、私は著書の後書きに「アスペルガーであることは自分のアイデンティティ」と書いています。当時(2015年)は確かにそうでした。

しかしその後、当事者ブログをやっていることがイヤになり削除しました。当事者会も主催していることがイヤになって脱退しました。それは私の障害受容が進んだ結果のことだと思っています。「私がアスペルガー症候群であること」が特別なことではなくなり、わざわざ障害について書きつらねることや、当事者たちと障害について語り合うことに抵抗感が強くなってしまったのです。

かつてアイデンティティだった「アスペルガー症候群」

「アスペルガー症候群であること」が特別なことだった頃、私は当事者活動をたくさんしていました。当事者として講演もしましたし、当事者会を主催しましたし、ブログにも熱心に障害を自己分析した記事を書いていました。

そういう活動を7年ぐらい続けているうちに、自分がアスペルガー症候群であることが特別なことではなくなっていきました。それが「障害主体ではなく、自分主体になった」ということなのだと思います。詳しくは冒頭でもリンクした「診断名をアイデンティティとするのは、長期的に……という話」という記事をご覧ください。

自分主体のとらえ方をするようになった

障害について特別に語ろうと思わなくなってから、「障害だから○○だ」と自分のことを語る人たちのことをものすごく苦手に感じるようになりました。「障害のせい」にして、自分の問題点を棚上げしているように見えることが多かったからです。

私にも「障害のせい」という発想だった時期はありますが、今はそうは思っていません。私に何か問題があったら、「障害のせい」ではなく「私のせい」。原因に障害特性はあるかもしれないけれど、それでも「障害のせい」ではなく「私のせい」。障害特性をカバーする努力ができるはずで、それができないのは工夫力が足りないのではないかという発想のほうが強くなったのです。

こう書くとネガティブな方向に変化したようにも見えるのですが、そうではありません。良い点があっても「障害のおかげ」ではなく「自分が頑張ったから」。善くも悪くも「自分主体」になったのです。

それでも、どうしても障害のせいとしか考えようがないような困りごとはあります。努力しようが、信念があろうが、どうにも自分の体や脳が従ってくれないことというのがかなりたくさんあります。そういうときにはしんどいですが、「適切な工夫(道具、ツール、サービス、アイディア)が見つかっていないだけだ」と思うようにしています。

アイデンティティだった時期があることは変えられない

自分主体になったものの、「アスペルガー症候群」が私のアイデンティティだった時期があるのは事実です。それは過去のことなので変えようがありません。そういうタイトルの著書もあることですしね。

ですが、アイデンティティなんて人生の中でどんどん変わっていっていいと思うのです。心のよりどころだって、趣味だって、特技だって、生きていれば変化しますよね。変わらないものもありますが、変わるものもあります。変わっても変わらなくてもいい。今はそう思えます。

ちなみに今年はアスペルガー症候群と診断されて12周年でした。診断されてから7年ぐらい自己分析をしていたら飽きてしまったのですが(自己受容が進んで障害が特別でなくなった)、飽きてから5年ぐらい経っているのですね。今頃になってまた障害当事者としてブログを書くとは思いもよりませんでした。人生は何が起きるかわかりませんね。

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書いた人:
白崎やよい

発達障害、特に自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)と診断されています。30代です。肉体の性別に違和感がありFtXなのではと思っています。道具やサービスを使って自分の生活を改善しながら、気になった情報を雑多に発信しています。著書「アスペルガーだからこそ私は私」発売中です。

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以前書いていたブログ「他者と私とアスペルガー症候群」の記事を抜粋し読みやすく書き改めたもので、6年近い自己分析の集大成です。
母から見た生育歴、母と私のすれ違いを解消した記録もあります。自閉スペクトラム症の子と定型発達の親のすれ違いが両方の視点から読める本です。

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