感覚過敏だけじゃない。発達障害で疲れやすい(易疲労性がある)理由

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自閉スペクトラム症
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私の疲れやすさは、主治医が紹介状に「易疲労性あり」と書きたくなる程度のもののようです。

母・花代
母・花代

発達障害の人は感覚過敏があるから疲れやすいんでしょ?

白崎
白崎

絶対それだけじゃないよ。

よく「感覚過敏のせいでしょう」「人に気を遣うからでしょう」と言われがちですが、発達障害の人の疲れやすさの理由にはいろいろあると思うので、その理由を考えてみました。

  • 感覚過敏(聴覚、視覚、嗅覚)
  • 聴覚情報処理障害(騒音の中で特定の音が聞き取りづらい)
  • 「察する能力」の擬似的再現
  • 在宅ワークにより外に出る機会が減り、感覚刺激への耐性や体力が低下
  • 疲労感に気づきにくい
  • 休憩の取り方が下手

このくらいでしょうか。

これらの疲れやすい理由について、詳しく書いてみます。

感覚過敏について詳細

以前自覚していたのは聴覚過敏だけだったのですが、だんだんに視覚過敏を自覚するようになり、今は嗅覚過敏も感じるようになりました。

聴覚過敏

  • 苦手な音のする環境
  • 音が多い環境

で消耗します。ちなみに主な「苦手な音」は「人の声」です。人間として致命的ですね。ガヤガヤ・ザワザワ、歌声、話し声、車内・店内アナウンスなど、人の声は全般的に苦手です。

そのほかにも音量の大きな音や、TV・ラジオの音声は苦手です。音楽は体調によって聴くこともあります。体調が悪いときは聴けません。

可聴音でなくても疲労するらしく、ノイズキャンセリングで発生する音波で気分が悪くなったり疲労感が強まったりしたことがあります。

視覚過敏

LEDや液晶ディスプレイの光が特に苦手です。天井照明がLEDだと、暖色の最低輝度でも心身が蝕まれるように感じます。パソコンのディスプレイ・スマートフォン・タブレットは画面の輝度を最低にしています。ゲーム機の画面は最低輝度でも眩しいので、別途ブルーライト対策の眼鏡を使用します。

蛍光灯も苦手ですが、LEDよりはマシです。ただし蛍光灯などで本の誌面の反射光が眩しくて読書ができないことがあります。

日光は平気です。

私でも使用できるLED電球を発見できたので、その点は幸いでした。詳しくは以下の記事をどうぞ。

嗅覚過敏

他の人がにおいを感じない状況でもにおいを感じていることがあります。その際に悪臭と感じると耐えがたいですが、嗅覚は麻痺しやすいので、日常生活での困難はさほどありません。

食事の際、苦手なにおいの食べ物があるときは、ハーブやスパイスで対策して食べています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

聴覚情報処理障害

  • 周りにも話している人がいる
  • BGMがある

などの状況で、私は目の前の人の声が半分ぐらいしか聞き取れません。膝がくっつくくらい近く座っていても、です。(相手の声の大きさ、周囲の音の大きさにもよります)

そういう環境で人の声を聞こうとしているとき、非常に強い集中力が必要なので、かなり疲労します。

集中して神経を研ぎ澄ましても、状況によっては半分も聞き取れないこともあります。

「察する能力」の擬似的再現

私は日常会話の際、発言で省略された部分を脳をフル回転させて推察しています。そのため、雑談やなにげない会話で非常に消耗しますし、消耗が激しいときは日常会話が成り立たないほど「察する能力」が低下します。

詳しくはこちらの記事のような感じです。

在宅ワークにより外に出る機会が減り、感覚刺激への耐性や体力が低下

感覚刺激は受けずに済む状態を作り始めると、どんどん耐性が下がっていくと感じます。

  • 聴覚過敏のためにイヤーマフを着用し始めると、だんだんイヤーマフなしでいられなくなる
  • 視覚過敏のために画面にフィルターをかけると、だんだんフィルターを暗くしなければ使えなくなる

という具合です。ストレスフリーな暮らしを求めて、余計にストレス源からのダメージが大きくなっているように感じます。悪循環ですね。少しずつ刺激を強めていけばいいのでしょうか……?

疲労感に気づきにくい

発達障害あるあるなのでしょうが、私は疲労感に気づきにくいです。自分が「疲れている」と感じないので、休みようがなく、周りの人にも「平気そう」と見えてしまいますが、実際には極度の疲労状態ということがままあります。

疲労がひどすぎると、回復に時間がかかるのも常。一晩寝る程度では回復しきれないほどの疲労になってから「なんか疲れたかも」と自覚し始めるぐらいなので、当然体調は安定しません。

いつもルーチンワークならば、仕事のでき具合で疲労度を把握できるのですが、今はルーチンがないのでそういう観測方法もありません。

休憩の取り方が下手

疲労感に気づきにくいことのほか、脳の興奮がおさまりづらいことや緊張状態が解けにくいことなども関連して、休憩がうまくとれません。

「寝たまんまヨガ」という瞑想音声を使用して休憩はしていますが、それ自体「人の声を聴く」という疲労が強い行為なので、疲労が強すぎると使いたくなくなってしまいます。(それでも回復を実感するほど回復するのですが)

昼寝をしようと思って薬を飲んでも、結局眠れずに終わることも多いです。

まとめ

私にはこれらの疲れやすい理由があり、そのために労働可能時間が短く、趣味に使える時間も同様に短いです。

もっと休息時間を短くし、さまざまな活動をしたいのですが、易疲労性の克服方法がわからずどうしようもない状態です。何か良い方法がありましたらお知らせくださいませ。

自閉スペクトラム症
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書いた人:
白崎矢宵(やよい)

発達障害、特に自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)と診断されています。性別不合(トランスジェンダー・FtM)でもあります。道具やサービスを使って自分の生活を改善しながら、気になった情報を雑多に発信しています。著書「アスペルガーだからこそ私は私」発売中です。

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