以前、著書に感銘を受けてご紹介した吉濱ツトムさんが、動画配信をしていることをつい最近知りました。
吉濱ツトムさんのすごさは、私には公式サイトを見るだけではわかりませんでした。ですが本はとても素晴らしい仕上がりで、私の宝物のひとつです。
以前noteに書いた感想はこちら。
さて、今回特にご紹介したいのは、吉濱ツトムさんが語る「発達障害人の才能」についての動画です。
まずは「才能には自信を持てないどころか深い劣等感を感じてしまう」という動画をご覧ください。
人から言われる「才能がある」は鵜呑みにしないほうがよい
この動画を見ていて、私は改めて「人から言われた『才能』は当てにならないな」と感じました。
というのも、私はときどき「文章の才能がある」と言われるのですが、吉濱ツトムさんの理論で評価すると、文章の才能が全く無いことになるのです。根拠は以下の通りです。
- 「上手い人のすごさ」「名文の良さ」がわからない
- 「自分の文章の良さ、悪さ」がわからない
- それほど劣等感もない
- 劣等感がないからか、すいすい書ける
私は昔から文章が上手いと評価されることがあっても、どこがどういいのかさっぱりピンとこず、実感も湧きませんでした。それがなんでなのかと長年疑問でしたが、「才能がないからわからない」と解釈するのがとてもしっくりきました。
特に、小説や詩のような芸術性が高い分野になると、良さも悪さも全くわかりません。
私にとっての文章の評価基準は
- 文章のフォーマットを守っているか(句読点など)
- 自分にとって読みやすいか
- 理路整然としているか
- 結論がはっきりと存在しているか
くらいです。この観点では自分の文章はなかなか良いと思っています。「自分にとっては」という条件付きですが。
自分の文章が自分で読みやすいのは当たり前なんだよな……。
子どものころに読書感想文や作文で表彰されたことはありますが、文章の才能というよりは「理路整然としているかどうか」だったのではないかと思います。
私は小学生のころから発言に筋が通っていると大人に評価されることも多かったのですが、特に訓練は受けていません。「話に筋道を立て理路整然とさせる才能」はあるのだと思います。それが文章を書くときに発揮されるのでしょう。
それを裏付けるかのように、高校生のころ初めて書いた小論文は「初めてとは思えない」と言われるほど高評価でした。
自分の才能を改めて見つけてみよう
この記事をお読みの皆さんにも、自分では才能があると思っていなかった意外な才能が眠っているんじゃないかと思います。
特に「劣等感に苛まれていること」が、吉濱ツトムさんの理論では才能という場合もあるでしょう。
大切なのは、吉濱さんが言うように、「大量の時間を費やした超絶上手い人」を意識しすぎないことです。「ちょっとやっただけにしては上手かったじゃん」で充分なのです。
「ちょっとやってみた程度じゃ別に上手くなかったし、実際に下手」というケースもあると思いますので、落ち着いて見極めましょう。
学校ではいろいろな経験をしますので、学校の成績や部活動での評価などが参考になるのだと思います。学校では何をやってもダメだったと思っている方も、なかには「自分が違いのわかる人間だったためにダメだったと感じているだけ」というケースもあると思いますので、できるだけ冷静に思い返してみるのがいいのだと思います。
人から「すごい!」と言われるのに、自分では「こんなののどこがいいんだよ……」と思ってしまうような例が、「才能があること」なのかもしれません。
「楽しいかどうか」ではない
それと「やっていて楽しいかどうか」は才能の有無とは関係がなさそうなので、その点も注意したいポイントです。
特に、才能があるがゆえに自分の劣った面が見え続けてしまう方にとっては、才能があることこそ楽しくないはずです。
才能がないことほど気楽にできて楽しいというのはよくある話です。「下手の横好き」ということわざもあるくらいですから。
自分の才能探りの実例
私も自分の才能がありそうなことを改めて探ってみました。才能探りの具体的な実例を知りたい方はどうぞご覧ください。
他人の例に興味が無い方は閉じてしまって大丈夫です。
吉濱ツトムさんの動画で言う「才能があるもの」を改めて自分の人生から探してみようとしましたが、「この分野に才能があってほしい」と思ってしまうのが避けられません。
なので冷静な評価は難しいのですが、できるだけ客観的な情報を元にしてみたいと思います。皆さんが自分の才能を探すときの手がかりになると嬉しいです。
絵画
- 絵の練習はあまりしたことがないが、校内の絵画コンクールで高評価のことが多かった
- 自分の絵をものすごく下手だと感じる
- 素晴らしいと感じる絵や画家がいて、その人たちに近づけないと感じる
- 自分や他人の絵の良いところ、悪いところを感じる
絵といっても画風もあるので、良さや悪さがよくわからない絵もありますが……。「自分が下手すぎる」はかなり感じるので、良さがわかる分野なのだと思います。
絵は練習しても上達しない気がする、というより上達してもまだ自分のなかで下手なので、練習が続かないです。
ですが他の人にはそこそこ好評で、それが子どものころから現在まで変わっていないので、真面目に向き合ってみてもいい分野かもしれません。
歌唱
- 歌の練習をあまりしなかったころから、歌が上手い枠に入っていた
- 声楽を少し習っていたときも、歌の評価が高かった
- ボーカリストや合唱曲のソリストなど、あるいは歌以外でも、素晴らしい声の持ち主と感じる人がいる
- 発声や音の不安定さなど、人や自分の歌の上手さ(下手さ)を感じやすい
- 声楽で自分の上達を感じ取りにくく、やめてしまったあと、数年歌を歌わなかった
「音楽」と範囲を広げると、よくわからないものが増えていきます。特に「楽曲の音質」なんてものは本当によくわからず、好き嫌いレベルの評価しかできません。初めて聴く曲を「完成された楽曲」と言われても全然理解できませんしね。
ですが「歌う」と限定したときにはいくらかわかる気がします。そして自分ヘタクソだなって実感が湧きます。上が見えすぎているのかも?
香水など、香りの芸術
- 香りの良し悪し、改善点など香りの評価が浮かびやすい
- 自作香水を完成させるまでの改善すべき点と、完成したかどうかがわかる
お店でアロマテラピーコーナーがあると並んでいる精油の香りを嗅ぎに行くのですが、ブレンド精油の「香りとしての出来のよさ」にものすごく注意が向きます。また、とある歴史的名香と呼ばれる香水にはいたく感銘を受け、一生の思い出となっています。
料理
- ほとんど料理はしないが、数年に一回作るレベルでもうまくできる
- レシピを見ながら初めて作ってだいたい成功する
- 味の素晴らしさや調和などを感じる
- 「香り」とも関連するが、食べ物の匂いに敏感で、食べ物に合うハーブやスパイス選びが家族に好評
「やりたいかどうか」で言うと特にやりたくはないのですが、落ち着いてよく考えると才能があるのかもしれません……。「レシピを見てもできない」「普段から作ってないからできない」という声が多いなかで、普段全く料理をしないにも関わらず、両親に「あんた上手いね!?」と驚かれるものができあがります。
お酒もアルコールがダメな分「味」で飲んでいるので、「あんたが美味しいと言ったお酒は美味しい」と母(酒豪)が申しております。
ハンドメイド、工芸品の一部分野
以前一度工業用ゴム手袋の内職をやってみたときは、完全に才能があるパターンでした。ただし個数が作れなくてクビになりました。習得が異常に速かったそうなのと、品質はものすごくよかったそうです。類似の技能を使うハンドメイドがわかりません。あったら知りたいです。
数あるハンドメイドのなかで「やってみたことがあるもの」と限定すると、レザークラフトは優れたものの良さと自分の下手さをものすごく感じます。きちんと学んでみたい気持ちがあるので、地元のワークショップに積極的に顔を出してみたいです。
裁縫もやったことはありますが、手縫いは「違いがわかるための劣等感」とかじゃなく実際に下手なんですよね。根気も続きません。ミシンは初めて使ったにしては非常に上手くいきましたが、調整が難しいしなあ……。
編み物やひも編み(マクラメみたいな)は関心はあるのですが、編み物はやっているうちに混乱してきて完成しません。結構きれいには作れるんですが消耗が大きすぎます。人様の編み物も見てて評価できませんし……。
マクラメみたいなのはよい参考資料が見つからず保留中です。ちょっとやってみたときは上手いと言われましたが、果たして。編み目の美しさとか、作品の卓越ぶりは感じるのですが、よい作品をリアルで見たことがないんですよね。写真では感動したこともありますが……。
自分のなかでの才能の度合い(自己評価)
このようにいろいろ「才能がありそうな分野」はあるのですが、その中で特にどの能力が高そうか(磨けば光りそうか)は、自分では
工業用ゴム手袋 > 絵画 > 香り・料理 > 歌唱
という風に感じています。
工業用ゴム手袋作りに似たような技術を使うハンドメイドがあれば絶対才能が輝くと思うのですが、いったい何がそれに該当するのか見当がつきません。母は「レザークラフトは近いんじゃないか」と言いますが、体感的には別に全然近くないので……なんだろう……? いろんな伝統工芸の体験をしてみたらいいのでしょうかね。地元では限界があるなあ……。「数が作れなくても、その分価値が上がるから良い」という感じのハンドメイドを探してみます。
ちなみに現時点ではこの中のどれもが素人同然です。「素人にしてはなかなかだな」レベルです。全部初心者なので。
私の「才能」探しは以上のような感じです。他にもあるのかもしれませんが、パッと出てこないので、ここまでにしておきます。
まとめ
- 「才能がない」と思い込んでいることのいくつかは才能があるかも
- 人から「才能がある」と言われても、見ている能力が違う場合があるので、鵜呑みにしすぎないほうがよい
- 自分の才能を探すときは、できるだけ冷静に、客観的な事実を思い返そう
皆さんが自分の才能を再発見できることを祈っています。