「勝手な決めつけ」が相手を苦しめる。傾聴に学ぶ「心を聴く」姿勢

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日常会話で相手が勝手な決めつけをしていると感じたことはありませんか? 私はたびたび感じます。私がマイノリティだからかもしれませんが、感覚を正しくわかってもらえないことが多いのです。

私は半年ほどかけて傾聴の講座に通ったことがありますが、そこでは「ただ相槌を打つのが傾聴ではない。相手の心を聴くことが真の傾聴なのだ」と学びました。その過程で、過去に私が猛烈に腹を立てたエピソードのうち、いくつかは相手の勝手な決めつけのせいだと思うに至りました。

それだけではなく、私自身が人間関係で上手くいかないときも、相手の心情を勝手に決めつけていることがあると感じるようにもなりました。私がマイノリティだからこそ、相手の心情を正しく推測できないことも頻繁に起きるのです。お互いに理解し合えないのですね。

今回は私が怒りを感じたエピソードを通じて、勝手な決めつけを押しつけている事例について考えてみたいと思います。

エピソード1:「死にたい」

20代のころ、うつ病真っ盛りで「死にたい」と真剣に思っていたときに、「死にたい」という言葉でネットを検索していました。

そのときに1つの動画に出会いました。タイトルはうろ覚えですが、「死にたいと思っているあなたに伝えたい言葉」というようなものだったと思います。その動画では、優しい声でこのように語っていました。

あなたは本当は『幸せに生きたい』と思っているのです。『死にたい』というのはあなたの本当の願いではないのですよ。

それを見た私は猛烈に腹が立ちました。怒り狂ったと言ってもいいほどです。

白崎
白崎

私は生きたくない! 幸せにもなりたくない! 今すぐにでも死にたいんだ! 心から死にたいと思っているんだ!

私の見た動画が心に響いて癒されるという人もいるでしょう。ですが当時の私は苦痛に感じました。私が思っていたことを否定されたように感じたのだと思います。

原因と対策

今回の場合、一方的なメッセージである「動画」だったのがまずかったと思います。私の意見を相手に伝える余地がないのです。メール、ウェブサイトなどでも同様の出来事は起こりやすいのではないかと思います。

傾聴では自分の意見は伝えず、相手の話を聴くことに徹しますが、その理由のひとつは自分の意見を言うと相手への否定と受け取られることがあるからです。

何か言いたいことがあったとしても、相手の言葉をしっかりと聴くことが傾聴では前提条件となります。

相手の主張を理解しないまま持論を言っても、的外れな話になることがあります。的外れな話を延々とされると、誰でも「この人は私のことを全くわかっていないな」と話す気が失せてしまいます。心を聴く余地もなくなってしまうのです。

エピソード2「不安感の理由」

これも20代のころ。セクシャルマイノリティ繋がりで話ができる人を出会い系サイトで探していた頃の話です。

その頃はうつ病のほか、不安障害の症状が強く、家から出ることができませんでした。頑張って出られても、息苦しくなって歩くのが苦痛になることが多く、親に車で送ってもらわなければ病院に行くのにも一苦労していました。

私がそのとき使った出会い系サイトはメッセージアプリ風のものでした。不安障害のことはプロフィールに少し書いていたと思います。そこで声をかけてくれた人と、すぐに不安障害の話になりました。

どんな症状なんですか?

白崎
白崎

外に出ようとすると苦しくてたまらなくて、外に出られないんです。

外見コンプレックスなんですね。

白崎
白崎

いえ、違います。

このときも私は猛烈な怒りを感じました。当時、外見について特別思い悩んだことはなかったので、的外れな決めつけをされたと感じました。

外に出ると不安になるのは外見コンプレックスですよ。わたしもそうでしたからわかります。筋トレでスタイルが良くなれば不安も消えますよ。

先方は私の話を聞くことはなく、延々と自分語りをしていました。腹が立ってたまらなかったので、会話は打ち切りましたが、その後も何日か怒りが続きました

今にして思うと、外に出たときに漠然とした不安感に襲われた理由のひとつには外見コンプレックスもあったのかもしれません。しかし、当時は不安感の原因が全くわからずに苦労していました。何が怖いとか何が不安とかではなく、とにかく漠然と気分が悪くなるので、対処のしようがなかったのです。そこを全くわかってもらえなかったどころか、持論を押しつけられたのです。

原因と対策

このエピソードは対話形式でしたが、対話すれば良いというものでもないことがわかります。相手は「不安が起きるのは外見コンプレックスだ」と自分の思い込みを押しつけています。

こういう会話は、当事者同士で発生しやすいのではないかと思います。同じ病気や障害でも、同じことを考えているとは限らないし、同じ原因とも限らないですよね。

相手の話を聴けばこそ、自分の話を聴いてもらう余裕も生まれます。先入観を捨て、「この人の場合はどうなのかな」とまずは相手の話を聴いてみる必要があるでしょう。

まとめ:思い込みにとらわれず相手の話を聞こう

日常生活においては、相手の言い分をわかったつもりになって聞いていることがたびたびあります。親しい間柄であればあるほど、旧知の仲であればあるほど、その傾向も強くなります。

相手が本当は何を言いたいのか。勝手な判断で耳を閉ざしていないか。たまには意識して聴いてみてもいいのではないでしょうか。

書いた人:
白崎やよい

発達障害、特に自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)と診断されています。30代です。肉体の性別に違和感がありFtXなのではと思っています。道具やサービスを使って自分の生活を改善しながら、気になった情報を雑多に発信しています。著書「アスペルガーだからこそ私は私」発売中です。

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