理解と支援だけを求めるのはやめよう。障害者でもできることはある!

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自閉スペクトラム症
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この記事は旧ブログ(削除済)からのリライト記事です。

何年か前に発達障害当事者会に参加していたところ、たびたび「理解と支援が必要」という言葉が出てきて、私はもやもやしてきて、以下のような発言をしました。

白崎
白崎

ただ理解と支援を求めるだけでは駄目です。

「あれが苦手、これも苦手、ああいうこともこういうこともできないです。理解して支援してください」って言って、支援してくれる人は支援が職業の人(医師、看護師、カウンセラーなど)だけです。

職場の上司や同僚、近所に住んでいる人などの一般人に「苦手なこと」だけをアピールしても、メリットが見つからないから支援はしてもらえない。

「こういう得意なことがあるんだけど、それをやるために自分だけでは解決できない苦手な事柄があります。苦手な部分をサポートしてくれたら、得意な分野で頑張ります!」という風に自分のセールスポイントをアピールしないと、ただ相手に重荷を背負わせるだけ背負わせて、自分は何もしないだけになってしまう。

自分にできることはする。その上で、手伝ってほしいことは手伝ってもらうという、お互いの歩み寄りが大切でしょう。

あとで参加者さんに「その考えはどこから来ているのですか」と聞かれました。これはとある支援者さんの影響で本格的に根付いた考え方です。「発達障害・自閉スペクトラム症のポジティブな情報をもっと増やそう」という話が元になっています。

欠点しかない商品は普通買わないが、良さがあれば買う

「あれもできないしこれもできない欠点だらけの商品」にお金を払って買って帰る人なんてまずいません。いたとしたら相当なマニアです。

ですが有効な使い方があって、めちゃくちゃ活用できる商品だったら、デメリットとメリットのバランス次第で、ある程度売れるのではないでしょうか。(大ヒットはしないかもですが……)

「欠点はいっぱいあるんだけど、補って余りある良さもたくさんある」それが私たち発達障害者ではないでしょうか?

発達障害ならではのセールスポイントを探そう!

発達障害者にしかできない仕事、発達障害者にこそ向いている仕事は、きっとあるはずです。向いている仕事の例を知るには「隠れアスペルガーさんの才能・仕事の見つけ方」がおすすめです! 可能性が広がる良い本です。(完売したようです)

参考までに、この本を元に私の適職を考えた記事がこちらです。

自分のセールスポイントをアピールするのは難しいことですから、親しい人たちとお互いに見付け合えるといいんですよね。自分には見えない良さも、他の人には見えていることがよくあります。

「自分の苦手なこと、できないこと」を自分で把握することはもちろん大切です。ですが、そこから「苦手さのカバー方法」を考え出す、「自分の得意なこと」をしっかり認識する、そういった前向きな自己分析も重要です。

ネガティブ思考になってしまう人は……?

ネガティブ思考に陥りがちの人はやはり多く、自分の良さを見つけ出しにくい人もまた多いです。

それは動物としての本能ですから仕方ないです。動物の本能としては「ネガティブ思考」「マイナス思考」のほうが正しいです。

詳しくはこちらの記事をご覧いただければと思いますが、私はネガティブ思考は自然なことだと考えています。ネガティブ思考で悩んでいる方は「ネガティブでいいんだ! それが本来の姿なんだ!」と開き直ってしまってもいいのではないかと私は思っています。

もしネガティブ思考をポジティブ思考に切り換えたいならば、「かえるカード」のようなリフレーミングの手助けになるものがあると楽です。

支援を求めてもよいが、メリットも提示しよう

「ただ理解と支援だけを求めては駄目」と言いましたが、これは「支援を求めてはならない」という意味ではありません。

発達障害者と定型発達者のすれ違いでは、常識だと思っていることが全然常識じゃなかったなんてことが日常茶飯事。何かしらの橋渡しや、理解、支援は必要です。

職業として発達障害者の支援をしている人には、頼ったほうがいい場合も多々あります。私自身、発達障害者支援センターにほぼ毎月近況を報告したり、やりたいことの整理を手伝ってもらったり、目標設定を手伝ってもらったりと、大変お世話になり続けてもう12年くらいです。

でも、支援のノウハウもない一般市民にまで「理解と支援だけを求める」のは、やはり違うと思います。支援者に支援を求めるのは問題ありません。それが仕事の人たちですからね。

ですが、その辺に暮らしている特別な知識がないごく普通の市民の人たちに、発達障害者に対しての支援方法を理解し、実践しろというのは、どう考えても無理があります。

なので、交換条件として自分のできること、自分を支援したときのメリットを提示してはどうかと私は考えています。「こういう風に援助してもらえたら、これこれという特技が発揮できると思います」と。そうすれば支援してみる気にもなるというものです。

白崎
白崎

静かな部屋でひとりで仕事させてくれたら、1000文字の記事を1日2本書きます!

支援して何のメリットがあるかわからない相手の支援をするより、相手を支援すると自分も助かると思って支援するほうが、支援する側もやる気になります。支援した結果の当事者の活動が上々であれば、もっと理解を深めようという気持ちにもなるでしょう。

まとめを3行で

  • 大切なのは障害者と健常者との「お互いの歩み寄り」
  • 自分の欠点だけでなく、セールスポイント(長所)も把握しよう!
  • 支援を求めるときは、得られるメリットも一緒に伝えよう!

私は「支援するのが当たり前」「支援してもらうのが当たり前」どちらの考え方も好ましくないと感じます。お互いに持ちつ持たれつ、ギブアンドテイクであるべきではないかと思っています。

できないことは頼りつつ、できることは自分でやる。それが互いに当たり前になる世の中が理想です。

自閉スペクトラム症
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書いた人:
白崎矢宵(やよい)

発達障害、特に自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)と診断されています。性別不合(トランスジェンダー・FtM)でもあります。道具やサービスを使って自分の生活を改善しながら、気になった情報を雑多に発信しています。著書「アスペルガーだからこそ私は私」発売中です。

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以前書いていたブログ「他者と私とアスペルガー症候群」の記事を抜粋し読みやすく書き改めたもので、6年近い自己分析の集大成です。
母から見た生育歴、母と私のすれ違いを解消した記録もあります。自閉スペクトラム症の子と定型発達の親のすれ違いが両方の視点から読める本です。

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